ケチるぐらいなら初めからフリーミアムなんてやめた方がいい
フリーミアムとは???
みなさんはフリーミアムと言う言葉をご存知でしょうか。ウェブ系のサービスなんかで多いのですが、基本的な機能を使うってもらうちはタダにしておいて、より高度な追加機能を使いたければそこからは課金会員になってもらうというサービスの形式のことです。有名なところだとGmail、Dropbox、Facebook、LINEとかですね。このはてなブログもそうか。
この考え方、とても良いと思うのです。「まずはタダでいいからさ、使ってみてよ!」といって新規の会員を獲得するのは、営業の手法としても理に適っていると思います。まずは自社のサービスを使ってもらい、ある程度内容を理解しもらってガードが下がった顧客にアップセル・クロスセルを促す。古くからある商売の基本ですね。
無料と言いながらも…
ところが、フリーミアム風に「無料で○○できる!」を謳っていながら、タダの時にできることが超限定的なサービスもあり、そういうサービスに遭遇すると、がっかりしてしまうことがあります。
例えば、レストラン紹介サイトの「食べログ」のスマホ版は、エリアやジャンルを絞って検索はできても、それを得点順に店の並べ替えが無料版だとできません。美味しいお店を評価し共有するためのサービスなのに、肝心の美味しいお店かどうかを順には表示できないのです。
電車の「乗換案内」は、出発と行き先の駅、時刻を入れて乗り換えの経路を調べるサービスですが、調べた経路の結果が出るところまでは無料。その結果の前後の電車を調べようとすると、課金ユーザーになれ~とアラートが出ます。
気前がいいと思ってた人が実はケチだと分かったら…?
一定の満足感や理解度を得られていない段階で課金を促すことで、「えええー?!たかがその基本機能使うのにお金取るの?」という印象を与えかねません。ユーザーによっては「こんなサービスは課金ユーザーになるものか!」と思う人も出てくるのではないでしょうか。
サービスの作り手側からしてみれば、「本来有料のサービスを無料で使わせているのだから、あまり多くを望まないでくれ!」といった所なのでしょうが、そのタイミングがあまりに早かったり、あざとかったりすると逆にマイナスの印象を強く与えてしまうのです。
また、それによりユーザーが離れ、ひいては課金で得られる金額も自ら狭めることも考えられます。
例えば、
全体で100万人いれば課金ユーザーが1%でも1万人分売上が確保できるところを、
全体が10万人に留まれば、5%から課金できたとしても売上は5,000人分になってしまう
といった具合に。
ならば一定の満足度を大多数に与えて、多くの人に利用してもらえる方が良い気がしませんか?
まとめ
そうやって考えてみると、冒頭で挙げた成功(普及)しているサービスは、大部分のユーザーがサービスの主要な部分は無料で享受でき、一部の限定的なコアなユーザーが課金ユーザーになっている気がします。
無料のユーザーの利用でも裾野が広がることで、別の恩恵(広告収益や市場の独占など)があるように設計されているんですね。これこそフリーミアムの正しいあり方だ思います。
逆に、ケチってほんの一部だけを使わせて、何かあればことあるごとに課金誘導するようなサービスはなかなか課金ユーザーが伸びないのではないでしょうか。そういうサービスは"課金タイミングをいかに早めるか、課金率をいかに高めるか"という視点ではなく、”どうすれば大多数の人に支持してもらえるか?”を追及した方が、案外うまいこと行くのかも知れませんね。
記事を読込中...