働き者ブログ

気を抜くとすぐサボってしまう自分に自戒の念を込めて・・・

問題:アナログとデジタルの違いをできるだけ完結に説明しなさい

 

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こんばんは。 

先日姪っ子と会った時のこと。彼女はいま10歳小学校四年生。大人とお話するのが大好きな女の子だ。学校の先生や身近な大人の会話や言葉にも興味津々。この前はあるアート作品の展示会で会ったのだが、そこでの大人たちの会話に彼女が食いついた。

 

「ちゅうしょうてき(抽象的)ってなぁに?」まわりの大人がちょっと考える。

「具体的じゃないことよ」大人のだれかが答える。

「じゃあ、ぐたいてき(具体的)ってなぁに?」

うーん、大人たちがパッと良い答えを見つけられない。

抽象的・具体的をなにか代わりの言葉で伝えるには・・・?

 

マゴつくこと数秒、考えてこう答えてみた。

「現実にあるものか、イメージの世界のものかだよ。現実にあるのが「具体的」。想像の世界なのが「抽象的」。」

 

「ふうーん」

 

 

うぅ…この感じ、彼女にちゃんと伝わったのか!?そして、答えとしても合っているのか不安なところだ…!

 

 

その後、また大人の会話に出てきた言葉にすかさず彼女が飛びつく。

「この作品、ずいぶんアナログな作業が必要だっただろうねぇー」

「アナログってなぁに?」

 

大人たちがまた考える。「う~ん…」

誰かがまた「アナログはデジタルの反対だよ」と答える。

だがそれでは説明になっていない。彼女もそれでは腑に落ちてない様子だ。

 

 

よっしゃ!さっきの名誉挽回だ!!おじさん頑張る。姪っ子ちゃんに分かりやすく教えるぜ!!

 

 

(アナログ/デジタルね。ええーとまず、アナログっつうのは音声や映像など何らかの信号や波形データを無段階の階調で表したもの、それがアナログだよな、うん。で、無段階の階調の波形を0か1に切り分け、数値で扱えるようにしたのがデジタルなんだよな。波形を0か1の数字で表現することにより、アナログの無段階の階調と比較したときデータ量の圧縮ができ、電気的に扱いやすい、というのがデジタルの特徴。一般的にアナログ⇒デジタルの処理を行うことで、たとえば音声だったら表現されない音域が出たり、画像であったら色数が減ったりする、といった弊害があるんだけど、階調をより精細にすることでその問題は解決できる。またこれらの無階調/階調を表す本来の意味から転じて、アナログというと”手作業の”・”時間や手間のかかった”・”機械が得意でない”といった意味の形容詞としても使用されるんだ。他方、デジタルというと”電気信号で扱いやすいデータの形式”という以外に”冷たい・無機質”だったり、”都会的”だったり、もしくは”機械の操作が得意な”なんて意味でも使われるんだよね。そうそう、そういうことなんだよアナログとデジタルっていうのは…。)

 

…頭の中でこんな感じで考える。ここまで約0.2秒。おっさんの脳みそはフル回転だ。

だが…、だがダメだ。この解説をかみ砕いて説明しないことには、小学校4年生には分からない。さっきの”具体的抽象的”問題の二の舞だ!

 

もっと分かりやすく!分かりやすく伝えねば!!

どうする?!! どうする俺!!!??

 

 

 

 

 

そんなおっさんを差し置き、パッとひらめいた彼女が言う。

 

 

 

 

「アナログは”なめらか”ってことね!」

 

 

 

 

 

 

ガーーーーーーーーーーーーン!!

なんてことでしょう!!!おじさんの冗長な説明を待たずして、何ともシンプルで美しい解を自ら得てしまった!!

 

 

 

 

 

「だってデジタルはなんかカクカクしてるから、その反対はなめらかでしょ?」

 

 

 

 

 

ぎゃぁぁぁぁぁぁl!!!まさに真理!!

おじさんが400文字(原稿用紙一枚分)使って説明しようとしたことをたった4文字で表すなんて!!

 

 

姪よ、こんな分かりづらいおじさんを、どうか、どうか見捨てないでおくれぇぇぇ……。

 

 

 

 

・・・と、まあ、最近こんなやりとりがありました。

毎日ブログを書いてても常に分かりやすい文章、分かりやすい表現と思ってましたが、まだまだ修行が足らんすなぁ。

普段、小学校4年生という年代の子らと一緒に過ごしていないので、どんな言葉で伝えるのがよいのか分かっていない、というのはあります。ですが、それを差し引いても、自分が理解していることを違った言葉で、そして相手へ分かってもらえるよう説明するということがいかに難しいかを再認識しました。

今回であれば「なめらかな線とカクカクの線」。これが小学生の彼女には一番分かりやすい言葉だったのです。僕の長ったらしい説明的な言葉。それに比べ、彼女の言葉は素直でやさしかったこと!目から鱗のできごとでした。

ブログでも多くの人に読んでもらう、ということで平易な言葉を使う、なるべく漢字は「かな」にほどく、など心がけてはいるのですが、他にもいろいろ工夫が必要ですね。

  • その言葉・ものごとだけにフォーカスせず、もっと広い視点で分かりやすい事例を使ってみる。
  • 当事者でない人に合わせて分かってもらうよう、誰もが知っている言葉に置き換えて表現をする。
  • 冗長にならないよう最小限の言葉でシンプルに説明する。

などでしょうか。

小さな相手とのやりとりから良い学びがありました。

 

おじさん、まだまだがんばりまっす。

 

 

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