【フリーランス】『ジリ貧の事務所選びもまた一興の』巻
先日フリーランスが何人か集まって活動をしようとしている、と書いたが、それに向け拠点となる事務所を探している。先週もひとつ物件を見に行ってきた。
”新しい事業を始めるための事務所選び”なんて言ったら、期待でワクワクする話のように聞こえるかもしれない。しかし現実はシビアだ。業務の合間に見に行く時の作業は、”心踊る物件を探す”というものの対極、”最低限ココならやっていけるかを見極める”という作業であることが分かってきた。
ちょっと今の僕らの現状を紹介しよう。
当初この企画に参加するメンバーは5人。業種も広告代理業・web・紙の制作の人たちなので、仕事をするうえで特別大きな機材はない。パソコンとネットがあれば仕事の大部分ができる職種の人々だ。間取り図を見て狭いかな…と思っていたが25㎡ぐらいでも何とかやっていけそうだ。(ちなみに不動産屋に聞くと5人の事務所だと10坪≒33㎡ぐらいが妥当らしい)
法人向きのビル以外にも事務所利用可のマンション物件も併せてみているのだが、元々が普通の住居であるため、当然トイレや風呂が付いていて、それが結構な面積(平米数)を使ってしまう。また、ワンルームとかだと設備もそれなりにしょぼく、トイレやキッチンから所帯じみた感じが出てしまうので、事務所で使うには不向きなのかな、と。ちょっと高級でリビングが大きめで、見栄えのするカッコいいマンションとかだったらSOHOの事務所として絵になるのだろうけど、予算の関係上都内で探すのは難しそうだ。
僕らが探しているのは本当に安く使える物件で、一人当たりの出費が2万円/月以内で考えている。5人で出し合うから管理費なんかを入れても10万円以内という事だ。そして敷金や礼金もできれば安く抑えたい。出来るだけコンパクトにはじめて、うまく行かなかった時の損失も最小限にとどめるため。大きくするのは儲かってからいつでもできるから。
だが、都内で交通の便が良い所で、10万以内で、25㎡以上で、敷金礼金がない、というのはなかなかに難しい。最近流行りのシェアオフィスの個室もいくつか見ているが、この手の部屋は面積が狭いものが多く、僕らの予算だと20㎡以下になってしまうことが多いようなのだ。
結局、条件を満たそうとすると築40年とかのすごく古い物件だったり、エレベーターがなかったり、間取りが使いづらそうだったり…、となかなかうまく行かない。いつしか期待に胸躍らせていた”僕たちのベースづくり”は、”ネガティブな条件をどこまで飲めるか”の忍耐勝負に変わっていった。
まあ、この際文句は言っていられない。まずは始めてしまうことが先決だ。美空ひばりも幼少のころはみかん箱をステージに歌っていたという。僕らもそれに倣え、だ。いい大人がみかん箱で始める、というのが何とも情けないが、後になってうまく行ったらこれも笑い話になるだろう。
考えてみれば、会社があってオフィスがあって、コピーやホワイトボードがあって…なんて普通の会社なら当たり前のように使っていた設備や備品も、今はそれがいかに恵まれたことかだったかってことを痛感している。「うちの会社、コピー用紙の紙質が悪いんだよなー!」なんて悪態づいていた自分は、ものすごく幸せだったわけだ。
とにかく、いまは高望みできる身分でもないので、エイヤで決めてしまうかな。仲間の一人が「一刻も早くここを出よう!と思えば頑張れる」と言っていたが、まさにその通りだな。
ただ、ただね。
トイレが和式なのはなるべく勘弁願いたいんだよなぁぁぁーーッ(切望)
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